特許申請・特許出願件数の推移

特許申請・出願件数の推移

2020年に日本の特許庁にされた特許出願の件数は288,472件であり、前年より19,497件減りました(前年比6.3%減、2019年-307,969件)。

なお、この特許出願件数には、延長登録出願の件数(725件)、PCT出願から国内移行された出願の件数(67,634件(前年比1.0%増、2019年-66,968件))が含まれます。
また、通常出願の件数(261,586件)のほかに、分割出願の件数(26,827件(前年比3.0%減、2019年-27,665件))、変更出願の件数(59件(前年比35.9%減、2019年-92件))も含まれます。

特許出願件数と特許登録件数の2005年から2020年までの推移のグラフを下に表しました。
出願件数は2008年後半からリーマンショックなどが原因で大きく減少し、2011年まで少しずつ減り続け、2012年に微増(186件増)、2013年に14,360件減り(前年比4.2%減)、2014,2015年も少しずつ減り続け、それからほぼ横ばいで推移し、2018年からまた少しずつ減り続けていました。
2020年の出願件数は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リーマンショックのときほど落ち込みは激しくないですが大きく減少しました。

特許申請の件数推移2005-2020

過去に最も多くの特許申請の件数があったのは、2001年で439,175件の特許申請がありました。その頃と比べると2020年の申請件数は34.3%ほど減っています。

特許出願件数が増加傾向にならず減少傾向である理由としては、先行技術調査の精度を高めるなどして出願が厳選されるようになったこと、外国出願が重要視されその分国内出願にかけられる予算が減ってしまっていることなどが挙げられています。

日本の特許庁を受理官庁としたPCT国際出願の件数(上記の件数には含まれていません。)は、企業活動のグローバル化などを背景として、日本国内への出願件数が大きく落ち込んだ2009年も増えており、2014年に一時減ったことはあったものの、基本的には増え続けていました。
しかし、2020年の日本の特許庁を受理官庁としたPCT国際出願の件数は49,314件であり、前年と比べて4.5%減ってしまいました(2019年-51,652件)。新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものと思われます。

2020年の特許登録件数は179,383件であり、前年より527件減りました(前年比0.3%減、2019年-179,910件)。
特許登録件数はやや減少傾向にありますが、ここ数年の特許査定率はほぼ横ばいなので特許を取得するのが難しくなったというわけではなく、特許出願件数の減少に影響を受けているのではないかと思われます。

最新の特許出願件数などは、特許出願等統計速報(特許庁)で確認することができます。

参考資料:特許行政年次報告書2021年版〈統計・資料編〉第1章 総括統計 1.特許(出願、審査請求、ファーストアクション、特許査定及び登録の件数)(特許庁)(PDF382KB)
特許行政年次報告書2021年版〈統計・資料編〉第2章 主要統計 6.出願種別出願・登録件数表(特許庁)(PDF762KB)
特許庁ステータスレポート2021 第1部 数字で見る知財動向 第1章 我が国の知財動向 特許出願件数(PDF725KB)

2020年の月別特許出願件数

2020年の月別特許出願件数を2019年の件数と比べたグラフです。このグラフは「ウィズコロナ/ポストコロナ時代における産業財産権行政の在り方- 審査制度の在り方、今後の知財政策・制度改正の方向性 -」(特許庁)に掲載されたグラフを加工して作成しました。

2020年の特許出願件数(月別)

毎月、特許出願件数は前年と比べて減っており、特に新型コロナウイルス感染者の急増を受けて最初の緊急事態宣言が発令された4月ごろから減少が目立ちはじめています。

特許出願等統計速報(特許庁)によると、2021年1月は前年比8.1%減(暫定値)、2月は前年比5.0%減(暫定値)と、特許出願件数の減少は続いていましたが、毎年出願件数が一番多い3月は前年比1.7%増(暫定値)となり、2019年12月以来1年3か月ぶりに増加しました。4月も前年比6.3%増(暫定値)であり2か月連続増加になりました。

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世界の特許出願件数

2019年における世界全体の特許出願件数(162の庁による総件数)は、World Intellectual Property Indicators 2020(WIPO)によると、3,224,200件(前年比3.0%減、2018年-3,325,400件)でした。
世界金融危機により2009年に前年比3.8%減となって以来、特許出願件数は増加し続けていましたが久々に減少しました。

世界全体の出願件数が減少したのは、中国の居住者が中国国内に出願した件数が減少したためであると考えられます。前年から減少した世界全体の出願件数が101,200件であるのに対し、前年から減少した中国の居住者の国内出願件数は150,247件であり49,047件上回っています。
中国の居住者の国内出願件数を除いて考えると、世界の特許出願件数は前年と比べて2.5%増になります。
中国への特許出願が減少した理由としては、中国は数重視から質重視への方向転換を図るために、各地方で助成,奨励などの支援を厳しく規範化し、真の発明創造活動に基づかない、不正な利益の取得等を目的とした非正常の特許出願の関連行為を厳しく取り締まるようになったことが挙げられます。

前年より受理した出願件数が減少したとはいえ、2019年に最も特許出願を受理した件数が多かった国は中国で1,400,661件、2位がアメリカで621,453件、3位が日本で307,969件、4位が韓国で218,975件、5位がヨーロッパ特許庁で181,479件です。
1位の中国の出願受理件数は2位のアメリカの件数の2.25倍であり、大きな差があります。
全体の出願件数に対して中国の出願受理件数が占める割合は43.4%、アメリカが19.3%、日本が9.6%、韓国が6.8%、ヨーロッパ特許庁が5.6%で、これらのトップ5で全体の84.7%を占めています。
トップ5のうち出願受理件数が減ったのは中国(9.2%減)と日本(1.8%減)のみで、他のアメリカ(4.1%増)、韓国(4.3%増)、ヨーロッパ特許庁(4.1%増)は出願受理件数が増えています。

特許出願受理件数で、日本は1968年にアメリカを抜いてから1位をずっと維持していましたが、2006年にアメリカに抜き返されて2位、2010年に中国に抜かれて3位に落ちました。
2011年にアメリカに変わって中国が特許出願受理件数1位になってから、2019年まで1位から6位のドイツまでの順位は変わっていません。

2019年における特許出願受理件数のトップ10の国々は以下の通りです。
前年の順位と比べると、カナダ(0.9%増)とロシア(6.4%減)の順位が入れ替わっています。

順位 国名 特許出願件数 前年比
1位 中国 1,400,661件 9.2%減
2位 アメリカ 621,453件 4.1%増
3位 日本 307,969件 1.8%減
4位 韓国 218,975件 4.3%増
5位 ヨーロッパ特許庁 181,479件 4.1%増
6位 ドイツ 67,434件 0.7%減
7位 インド 53,627件 7.1%増
8位 カナダ 36,488件 0.9%増
9位 ロシア 35,511件 6.4%減
10位 オーストラリア 29,758件 0.7%減

2020年における中国の特許出願受理件数は、2020年国家知識産権局年次報告書付録によると、1,497,159件であり、世界で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、前年より6.9%増えています。
このうち国内出願の件数は1,344,817件(全体の89.8%,前年比8.1%増)であり、外国からの出願件数は152,342件(全体の10.2%,前年比3.0%減)です。
なお、中国では、補助金等を目的とした非正常特許出願がまだ多く存在するために、2021年1月27日に国家知識産権局が「専利出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知」を公布しました。
この通知では、各地方において、2021年6月末までに特許出願段階の助成を全面的に取り消さなければならないこと、2025年までに特許権付与に関する財政援助をすべて取りやめなければならないこと、非正常特許出願行為に対して厳しい処分を与えることなどが指示されています。
また、中国国家知識産権局は、非正常特許出願行為を断固として取り締まるために、2021年3月11日に「専利出願行為の規範化に関する弁法」を公布しました。
これらの数より質を目指した対策が2021年の中国の特許出願受理件数を減少させる可能性があります。
(参考資料:専利出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知、国家知識産権局による「専利出願行為の規範化に関する弁法」の公布に関する公告(第411号)(JETRO))

2019年10月から2020年9月までのアメリカの特許出願受理件数は、FY 2020 Performance and Accountability Report(米国特許商標庁)によると、603,764件(暫定値)であり、前年度(2018年10月から2019年9月)より2.5%減っています。

2020年の日本の特許出願受理件数は、上述したように288,472件であり、前年より6.3%減っています。

2019年に「各国の居住者」が特許申請した件数のトップ5の国々は以下の通りです。(参考資料:WIPO IP Statistics Data Center(January 2021))

順位 居住国名 特許出願件数 前年比
1位 中国 1,328,067件 9.1%減
2位 アメリカ 521,735件 1.3%増
3位 日本 453,816件 1.4%減
4位 韓国 248,551件 7.1%増
5位 ドイツ 178,359件 1.0%減

2011年まで1位だった日本は、2012年に中国に抜かれ2位になり、2013年にはアメリカに抜かれ3位になりました。それから2019年まで1位から3位までの順位はそのままです。

2019年に「各国の居住者」が「外国へ」特許申請した件数のトップ5の国々は以下の通りです。(参考資料:WIPO IP Statistics Data Center(January 2021))

順位 居住国名 特許出願件数 前年比
1位 アメリカ 236,622件 2.8%増
2位 日本 208,444件 0.8%増
3位 ドイツ 104,911件 1.7%減
4位 中国 84,499件 27.2%増
5位 韓国 76,948件 10.8%増

日本の居住者が外国へ特許出願した件数は前年より0.8%増えています。

前年より27.2%増の中国が韓国を抜いて4位に上がりました。
中国の居住者が特許出願した件数は他の国々の居住者の件数と比べて断トツに多いですが、外国へ特許出願した件数に限定するとガクンと件数が減ります。
中国の居住者が特許出願した件数のうち外国に出願した割合は6.4%にすぎません。

なお、この外国への特許出願件数には、PCT出願自体の件数は含まれていませんが、PCT出願から国内移行された出願の件数は含まれています。
後述するように中国ではPCT出願の件数の増加は目立っていますが、PCT出願から国内移行される出願の件数があまり増えていません。

中国の居住者の国内のみの特許出願件数は、2019年に減少したとはいえ十数年に渡ってかなりの数に上り、それにともなって中国語のみで発行された特許文献数が年々増加しています。

中国語のみの特許文献数が急増していることを示すグラフ
(出典:ウィズコロナ/ポストコロナ時代における産業財産権政策の在り方―とりまとめ―(特許庁))

この「言語別に見た特許文献数」のグラフでは、複数の国で出願があった場合には、日本→米国→欧州→韓国→中国の順で該当する国のみの特許文献としてカウントされています。

増加し続ける中国語のみの特許文献についても、日本の特許庁で特許出願の審査を行うにあたって調査しなければならず、翻訳の問題から審査にかなりの負担がかかっています。

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世界のPCT国際出願(国際的な特許出願)の件数

2020年における世界全体のPCT出願の件数は、WIPO IP Statistics Data Center(July 2021)によると、新型コロナウイルスパンデミックにもかかわらず前年より増加し、274,850件(前年比3.6%増、2019年-265,383件)でした。
2010年から11年連続で世界全体のPCT出願の件数は増加し続けています。
PCT(Patent Cooperation Treaty,特許協力条約)出願は、複数の国で特許を取得したい場合に多く用いられる国際出願であって、例えば日本の特許庁などの受理官庁に出願手続を行えば、その出願手続をした日から条約のすべての加盟国(153か国)に特許出願したのと同じ効果を得ることができます。
PCT出願をした後、所定の期間内に、実際に特許権を取得したいそれぞれの国に国内移行手続を行う必要があります。

2020年に居住者がPCT出願を行った件数が最も多かった国は中国で68,723件、2位がアメリカで58,872件、3位が日本で50,541件、4位が韓国で20,060件、5位がドイツで18,537件です。
居住者のPCT出願件数は、1978年にPCT条約が発効してからアメリカがトップをずっと維持し続けていましたが、2019年に中国がアメリカを抜いてトップになり、2020年も少し差を広げてトップを守りました。
ただ、上述した中国の数重視から質重視への方向転換を図るための政策が、2021年の中国の居住者PCT出願件数も減少させる可能性が考えられます。

全体のPCT出願件数に対して中国の居住者PCT出願件数が占める割合は25.0%、アメリカが21.4%、日本が18.4%、韓国が7.3%、ドイツが6.7%で、これらのトップ5で全体の78.9%を占めています。
トップ5のうち居住者PCT出願件数が減ったのは日本(4.1%減)とドイツ(4.2%減)のみで、他の中国(16.1%増)、アメリカ(2.5%増)、韓国(5.2%増)は居住者PCT出願件数が増えています。

2020年における居住者のPCT出願件数のトップ10の国々は以下の通りです(参考資料:WIPO IP Statistics Data Center(July 2021))。
前年の順位と比べると、韓国(5.2%増)とドイツ(4.2%減)の順位が入れ替わっています。

順位 居住国名 特許出願件数 前年比
1位 中国 68,723件 16.1%増
2位 アメリカ 58,872件 2.5%増
3位 日本 50,541件 4.1%減
4位 韓国 20,060件 5.2%増
5位 ドイツ 18,537件 4.2%減
6位 フランス 7,768件 2.0%減
7位 イギリス 5,899件 2.1%増
8位 スイス 4,884件 5.1%増
9位 スウェーデン 4,348件 3.5%増
10位 オランダ 4,007件 0.8%減

2021年の居住者PCT出願件数(7月アップデート)のトップ3は以下の通りです。4月には1位だった日本が中国と入れ替わり3位になりました(参考資料:WIPO IP Statistics Data Center(July 2021))。

順位 居住国名 特許出願件数
1位 中国 30,470件
2位 アメリカ 28,118件
3位 日本 24,946件

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