特許申請・出願の流れ,フロー

よりよい形で特許権を取得するために。特許申請の流れについて説明しています。

特許出願・特許申請の流れについて

特許申請の流れについて、松田国際特許事務所にお問い合わせをいただいてから特許庁に特許申請手続を行い、特許権を所得・維持するまでの流れを説明します。
なお、ここで説明する手続のフローは、弊所で開業当初から行われている基本的なフローであって、諸事情により順序、内容等が省略、変更される場合もあり得ます。

流れを円滑に進めていくために一番重要なのは、お客様と弁理士との間で十分なコミュニケーションを図り、発明の内容について明確にし、発展させ、漏れがなく、質の高い特許申請を行うことです。
十分な内容の特許申請手続を行えなかった場合には、その後審査手続を経て権利化を目指すのに支障が生じてしまったり、特許権を取得できたとしても権利行使が難しくなってしまうおそれがあります。

特許申請・出願を望まれる場合にはどのような方法を採ればよいのかについて特許出願の方法のページで説明しておりますので、お問い合わせをいただく前に参考にしていただければ幸いです。

特許庁へ特許申請の書類を提出するまでの流れを簡単にまとめたものです。
それぞれの段階をクリックすればその説明が表示されます。

特許申請手続までの流れのまとめ 特許申請お問い合わせ 発明ご相談 発明打ち合わせ 簡易先行技術調査 申請書類作成 申請書類ご確認 特許庁へ書類提出

一つ一つの段階について以下に説明します。

特許申請についてお問い合わせ(無料)

新しく思いつかれたアイデア、商品、技術等に関する発明ついて、特許申請をして権利化を望まれる場合には、特許相談お問い合わせフォームや電話(03-3226-0316)、電子メールなどにより弊所までお問い合わせください。

この段階では、ご自身で何かをご用意されようとするよりは、とりあえず弁理士にお問い合わせをいただいたほうが効率的であるかと思います。

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発明の具体的な内容についてご相談、特許申請をする価値があるか否かの判断など(無料)

発明の具体的な内容について、主にお電話によりご相談を伺います。

お伝えいただいた発明の内容に基づいて、特許権利化できる可能性があるかどうか、特許申請する価値があるかどうかを無料にて判断いたします。
なお、例えばソフトウエア発明や製造方法の発明の場合には、発明の内容などによっては特許申請せずに秘密管理を徹底してノウハウとして保護したほうがよい場合もあります。ノウハウとして保護したほうがよい可能性があるかどうかについても判断いたします。

また、外国への特許出願を望まれる場合には、PCTに基づく国際出願が可能か否か、パリ条約による優先権を主張して各国特許庁へ直接出願することが可能か否か、どのような手段が適切か等の検討を行います。

また、先に関連した発明の内容で特許申請をしている場合には、国内優先権の主張の可否の検討を行います。
国内優先権を主張することにより、先の特許申請に関する発明と重複した内容については、新規性、進歩性等の特許要件が先の申請日を基準に判断されることになり、特許権利化に有利になります。

また、中小・ベンチャー企業のお客様のご相談には、必要に応じて特許庁などによる支援制度を利用できるか否かの検討を行います。

また、早期に権利化を望まれる場合には、早期審査の申請の要件について検討を行います。

また、お客様の目的などによっては、実用新案登録出願が適切か否かの検討を行います。

もし、新アイデア、新商品、新技術等に関する発明について説明書、図面、写真などを既にお持ちの場合には、これらも併せて用いたほうが発明の理解が深まり、特許申請する価値があるか否かの判断はしやすくなります。
お電話でのお話だけでは不十分であると判断した場合には、簡単な説明書、図面、写真などを補充資料として送っていただくようお願いすることもあります。

発明の具体的な内容や、ご依頼件数など諸事情を考慮して、料金を明示いたします。

なお、この段階におけるご相談はすべて無料です。

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発明のより詳細な内容について打ち合わせ(東京都内及び東京近辺は原則無料)

上記のご相談の結果、特許申請をする価値があると弊所で判断し、かつ、お客様が弊所に申請手続のご依頼を望まれる場合には、発明のより詳細な内容について、原則として面談をしてお話を伺います。

東京都内及び東京近辺であれば、原則無料にて、出張し、発明の打ち合わせを行います。

また、東京から離れた地域であっても、交通費のみで出張し、発明の打ち合わせを行います。

出張が難しい場合には、ファクシミリ、郵便、電子メール、電話などを活用します。

打ち合わせにおいてご用意していただく発明に関する資料は、打ち合わせ前に弊所から説明させていただきます。
また、打ち合わせ後に、出願書類を作成するのに追加の資料が必要と判断した場合にも、弊所から説明させていただきます。

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簡易先行技術調査

特許申請をする予定の発明について、「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」(独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営)を用いて弊所により簡易先行技術調査を行います。

この簡易先行技術調査の結果、申請手続に進む場合には、調査料は無料となります。

簡易先行技術調査の結果、申請手続に進まない場合にのみ、調査料金として21,600円をお支払いいただきます。

なお、より精度の高い先行技術調査を行うことも可能です。ただし、この場合には、特許出願手続に進むか否かにかかわらず有料となります。

この簡易先行技術調査は、上記の打ち合わせの前に行う場合もあります。

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明細書、特許請求の範囲、図面、要約書、願書等の特許申請書類の作成

上記の先行技術調査の結果、申請手続に進む場合には、弊所により申請書類を作成いたします。

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作成した申請書類のお客様によるご確認

お客様により弊所で作成した申請書類を確認していただき、修正の必要がある場合には修正いたします

特に特許申請が初めてのお客様などは、申請書類を読み慣れていらっしゃらないと思いますので、少しでもご不明な点がある場合には質問していただいて、ご納得していただいた上で特許庁への手続を行います。

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特許庁へ特許申請書類を提出

インターネットを用いて弊所により特許庁へ申請書類を提出いたします。

お客様に特許申請手続の完了をお知らせいたします。この際に、提出した書類等をお送りいたします。

申請手続き完了と同時に出願番号が付与されますので、出願番号についてもお知らせいたします。

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特許権取得成功者のイメージ

特許申請・出願の手続後、特許権の取得、維持までの流れについて

特許申請の手続き完了後、特許権を取得し、維持するまでどのような手続きの流れになるのかについて説明します。
特許権取得までの流れをうまく進めるためには、上述したように、よりよい形で明細書、特許請求の範囲、図面等の書類を完成して申請手続きを行うことがポイントとなります。
申請手続が完了すると、基本的には大幅な書類の修正(補正)はできませんので注意が必要です。

こちらの特許権取得までの流れもあくまで基本的な流れであって、順序が入れ替わったり、内容等が省略、変更される場合があります。

なお、全体のおおまかな流れについては「特許取得までの全体の流れ」(産業財産権相談サイト)のフローをご参考にされるとよろしいかと思います。

特許権の取得、維持までの流れを簡単にまとめたものです。
それぞれの段階をクリックすればその説明が表示されます。

特許申請の手続後、特許権の取得、維持までの流れのまとめ 方式審査 国内優先権主張手続、外国出願を行うか否かの確認 出願公開 出願審査請求を行うか否かの確認 早期審査の申請を行うか否かの確認 実体審査 特許査定 特許料納付 特許権の取得 特許権の維持

方式審査

特許庁の方式審査専門官により、申請書類に誤りがないか、手続的、形式的に問題がないかどうかについて方式審査が行われます。
問題がなかった場合には、特に特許庁から審査結果のお知らせはありません。

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国内優先権主張手続、外国出願を行うか否かの確認(出願日から1年以内)

特許申請した後に、新たに追加したい技術が出てきたり、申請書類の説明を補充したくなる場合もあるかと思います。
そういった場合には補正をすることはなかなか難しいことが多いのですが、出願日から1年以内であれば国内優先権とういものを主張した出願をすることで対応することが可能です。バージョンアップして特許申請をし直すというイメージです。

外国出願も予定されている場合には、基本的には日本の特許出願日から1年以内にパリ条約による優先権というものを主張してPCT国際出願または各国に直接外国出願を行う必要があります。
PCTによる特許申請を利用せずに直接外国に特許申請する場合には、翻訳を作成する期間も必要になりますので、余裕をもって準備する必要があります。

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出願公開(出願日から1年6ヶ月後)

特許申請の日から1年6ヶ月プラスちょっと経つと、特許庁により特許申請の内容が公開されます。
具体的には、特許庁が発行する公開特許公報というものに発明の内容が載ります。
その公開特許公報は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)(工業所有権情報・研修館)などで誰でも閲覧することができるようになります。

出願公開がされると、出願人には発明を実施した者に対して警告などを条件に補償金を請求する権利(補償金請求権)が認められます。
ただ、この補償金請求権は、不安定な権利であるともいえますので、特許申請後早い時期に誰かに実施されてしまうおそれがある場合には、後述する早期審査を請求して早期に特許権を取得する方針を採ってもよろしいかと思います。

なお、出願公開を早くしてもらうように出願公開請求書を特許庁に提出することにより、補償金請求権を早く発生させることも可能です。例えば、出願と同時に出願公開を請求した場合には約5ヶ月程度で公開され、方式審査が完了し、特許分類の付与された後に出願公開を請求した場合には約2~3ヶ月程度で公開されます。

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出願審査請求を行うか否かの確認(出願日から3年以内)

特許申請をした後に、方式審査のみではなく、発明の具体的な内容などについても特許庁の審査官に審査(実体審査)してもらうためには、出願審査の請求手続を行う必要があります。

出願審査の請求手続は、原則、特許申請した日から3年以内に行う必要があります。権利化を急がれる場合には、特許申請と同時に審査請求手続を行うことも可能です。
出願審査請求の期限の管理、手続は弊所で行います

期限内に審査請求しない場合には、特許申請は取り下げたものとみなされ、特許権を取得することはできなくなります
ただし、取り下げたものとみなされても、出願公開により特許申請の内容は公開されるために、同じ内容の発明を他社が権利化するのを防止することは可能です。

ちなみに、2011年内にされた特許申請全体に対して最終審査請求率は67.9%です。

特許庁に支払う出願審査請求料は、118,000円+(請求項の数×4,000円)(平成23年8月1日から)です。
この出願審査請求料について、中小企業などの特許出願人には、所定の要件を満たしていることを条件として、1/3に軽減してもらえる制度があります。
中小ベンチャー企業、小規模企業を対象とした審査請求料・特許料の軽減措置について(特許庁)
弊所でも軽減申請書の提出のお手伝いなどさせていただきます。

また、出願審査請求料については、特許庁への納付を繰り延べする(先延ばしする)ことができます。
本来、出願審査請求手続とともに出願審査請求料を支払う必要がありますが、とりあえず出願審査請求手続のみを特許申請した日から3年以内に行って、その手続の日から1年間支払いを待ってもらえます。
審査請求料の納付繰延制度について(特許庁)(リンク先消滅しました。)
この納付繰延制度をご利用される場合には、弊所で納付繰延の意思表示を記載した出願審査請求書を作成するなど必要な手続を行います。
審査請求料の納付繰延制度については平成24年3月31日をもって終了することになりました。

出願審査請求手続を行った後、権利化する必要がなくなった場合には、所定の条件を満たすと、審査請求料の半額が返還される制度もあります。
審査請求料返還制度について(特許庁)
この返還制度のご利用を望まれる場合には、弊所で出願取下書の提出手続などを行います。

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早期審査の申請を行うか否かの確認

早期審査の申請を行うと、特許庁の審査官に実体審査を早くすすめてもらうとができます。
早期審査制度は、中小企業、個人事業主の出願人には認められやすい制度になっておりますので、おすすめです。
特許出願の早期審査・早期審理について(特許庁)
早期審査の申請手続は上記の出願審査請求手続と同時に行うことが可能です。

特許申請全体では、平均して審査請求の日から約9.6ヶ月(2014年)経ってから審査官から最初の審査結果の通知がくるのに対して、早期審査を請求するとその請求の日から平均して約2.1ヶ月(2014年)で最初の審査結果が通知されます。

早期審査を望まれる場合には、弊所で早期審査の申請をするための「早期審査に関する事情説明書」を作成し、特許庁に提出いたします。

早期審査よりさらに審査が早いスーパー早期審査というものもあります。
早くなる分、「実施関連出願」かつ「外国関連出願」であることなどの要件を満たす必要があります。
スーパー早期審査の実績は、申請の日から最初の審査結果通知まで平均約25日です(平成22年末現在)。
拒絶理由通知(後で説明します)に対する応答期間が30日となり、通常(60日)よりも短くなることなどに注意が必要です。

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実体審査

審査請求手続を行うと、特許庁の審査官により特許申請書類に記載された発明の具体的な中身などについて審査が行われます。
特許申請の発明の技術分野の分類に基づいて、その分野の専門的な技術知識をもった審査官が指定されます。

上でも述べましたが、審査請求をしてから最初の審査の結果がわかるまでには平均で約9.6ヶ月(2014年)ほどかかります。早く権利化されたい場合には早期審査をおすすめします。

この実体審査では、主に、先行技術調査(特許申請した発明と関連する技術が記載され、先に申請、公開された特許公報などの調査)の結果に基づいて、特許申請書類の特許請求の範囲に記載された発明に新規性、進歩性があるかどうかなどが審査されます。

審査の結果、審査官が特許申請について拒絶すべき理由を見つけることができなかった場合には特許を認めてよいとする特許査定が行われます(次のステップへ)

審査の結果、審査官が拒絶理由を見つけた場合には、拒絶理由が通知されます。
一般的にはいきなり特許査定となるよりも、拒絶理由が通知されることのほうが多いです(拒絶理由が通知される平均回数1.17回程度(2014年7月~2014年12月))。
拒絶理由通知書にうまく対応しながら、より広い権利範囲を求めていくというのが特許権取得のイメージであると思います。

上記の審査の結果による特許庁からの特許査定の謄本または拒絶理由通知書は、弊所がオンラインで受信します。

拒絶理由が通知されても、慌てず騒がず落ち着いて、拒絶理由通知書を注意深く読んで審査官の意図を読み取ることが大切です。たとえ審査官の文面が必要以上にきっついなーとか…とか思ってもぐっとこらえて大人になって我慢します。
新規性、進歩性などの拒絶理由の場合には、通知書に記載された先行技術文献との相違点がどうすれば明確になるかを熟考します。

拒絶理由を解消するためには、審査官の主張に反論する意見書特許請求の範囲や明細書などを修正する補正書などを拒絶理由通知書が発送された日から原則60日以内に特許庁に提出する必要があります。
拒絶理由が解消可能であると判断した場合には、特許出願人であるお客様のご意見を取り入れた上で、意見書案、補正書案を弊所で作成いたします。
必要に応じて弊所で特許庁の審査官との面接を行います。
面接ガイドライン【特許審査編】(特許庁)
お客様のご確認の後、特許庁への意見書、補正書などの提出手続を弊所で行います

なお、補正は、特許申請をした時の明細書、特許請求の範囲または図面に記載した範囲内でしか認められず、新しい事項を後から追加することはできませんので注意する必要があります。

補正書、意見書などを提出してもまだ拒絶理由が解消されない場合には、再度拒絶理由が通知される場合があります
再度の拒絶理由通知の中でも、補正することによって通知することが必要になった拒絶理由通知のみを通知するものを最後の拒絶理由通知といいます。この場合、補正できる範囲はさらに限定されることになります。少しややこしい話なので、ここでは説明をこの程度にとどめておきます。
再度拒絶理由が通知されることはそれほどめずらしいことではなく、この場合も、上で述べたのと同様に、拒絶理由を解消できるよう対策を練ります。

補正書、意見書などを提出して拒絶理由が解消した場合には、審査官が特許査定を行いますが(次のステップへ)、審査で最終的に拒絶理由が解消されなかった場合には、審査官が拒絶査定を行います。
拒絶査定に不服がある場合には、拒絶査定不服審判を請求することが可能です。

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特許査定

実体審査の結果、特許申請について拒絶理由が見つからなかった場合、上で述べた意見書、補正書などにより拒絶理由が解消された場合には、審査官により特許を認める特許査定が行われ、特許査定の謄本が送達されます(弊所がオンラインで受信)。
この段階ではまだ特許権は発生していません。

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特許料納付

特許出願人であるお客様によるご確認後、特許査定の謄本の送達があった日から30日以内1~3年分の特許料{3年分×(2,300円+請求項の数×200円)}をまとめて特許庁に納付する手続を弊所で行います。
特許料3年分をまとめて支払う必要があります。

この特許料についても、出願審査請求手続のところで説明した減免制度を利用することが可能です。

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特許権の取得

特許庁に備えらている特許原簿に設定の登録がされることで特許権が取得されたことになります。
特許庁から特許証と特許権設定登録通知書が送られてくることで、設定登録の日(特許権が生じた日)を知ることができます。
特許証の見本(特許庁)(PDF)を紹介しておきます。

特許権の設定登録があった後、特許掲載公報に発明の内容などが掲載されます。

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特許権の維持

1~3年分の特許料は既に支払っていますので、設定登録の日から3年間は特許権が存続することになります。
設定登録の日から3年を経過しても特許権を維持したい場合には、その経過前に第4年分の特許料を納付する必要があります。
期限が過ぎてしまわないように余裕をもって納付するべきです。追納の救済手段もあるのですが、下手をすると権利が消滅してしまうことがあります。

特許権は特許料を支払い続けることにより特許申請の日から20年間存続させることが可能ですので、権利を維持したい場合には第5年分以降の特許料についても第4年分と同様に前年以前に支払います。

第4年分以降の特許料は何年分かまとめて支払うことも可能です。

年数が経つにつれて特許料は下記のようにだんだんと高額になっていきますので、権利によって得られる利益とのバランスなどを考慮して、特許権を維持するかどうか決定されたほうがよろしいかと思います。

弊所では第4年分以降の特許料の支払いの期限を管理して、支払手続の代理を行うサービスを提供しています。

特許料の第4年分以降の納付については、特許庁の自動納付制度があります。1年毎に特許料が自動的に納付されるので払い忘れを防ぐことが可能です。
特許料又は登録料の自動納付制度について(特許庁)
この制度のご利用を望まれる場合には、弊所で自動納付申出書の提出手続などを行います。

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最近の特許出願・特許申請の傾向、統計に基づく流れ

最近の日本における特許申請・出願の傾向や統計に基づく流れについて、特許行政年次報告書2015年版(特許庁)などを参考にして説明します。

特許申請の審査待ち期間

2014年の特許申請の平均の審査待ち期間は9.6ヶ月です。
2013年は14.1ヶ月であったので4.5ヶ月ほど減りました。

ここでいう「審査待ち期間」というのは、特許申請手続をしてからの待ち期間ではなく、審査請求手続をしてから審査官が最初に審査の結果を通知してくるまでの待ち期間です。
(発明の具体的な内容などについて特許庁の審査官に審査してもらうためには、特許申請手続を行っただけではだめで、「審査請求手続」を行う必要があります。)

特許申請手続をしてからの待ち期間は、この「審査待ち期間」+特許申請手続をしてから審査請求手続するまでの期間になります。例えば、特許申請の日から3年経ってから審査請求手続をしたとすると、単純に平均の「審査待ち期間」を足すと3年と9.6ヶ月になります。

内閣総理大臣を本部長とする知的財産戦略本部において、毎年、検討が加えられ策定される日本の知的財産政策に関する行動計画である知的財産推進計画2015では、世界最速の特許審査の実現を目指して、2023年度までに「審査待ち期間」について平均10ヶ月以内にすること、審査審査請求手続をしてから「権利化までの審査期間」(標準審査期間)を平均14ヶ月以内にすることを掲げています。

「審査待ち期間」は2014年に10ヶ月以内の目標を達成していますので、これを維持するということです。
ここでいう「権利化までの審査期間」(標準審査期間)には、審査の過程で、2回以上拒絶理由通知をもらっちゃった場合や、出願人が拒絶理由の応答期間を延長した場合の出願の審査期間は含まれません。

日本では世界最速の審査を目指すとのことですが、2014年において、例えば米国では出願から最初の審査通知までの平均期間(審査請求の制度は採用されていないので。)が18.4ヶ月程度、韓国では審査請求日から最初の審査通知までの平均期間が11.0ヶ月程度(実用新案登録出願を含みます。)です。

日本の特許庁は、審査を行う上で重要な先行技術文献調査について民間の調査会社などを活用したり、約500名の任期付審査官(5年間の任期で採用)を確保することなどで、特許出願の審査の迅速化にがんばっているそうです。

ちなみに日本の特許の審査官の数(2014年度)は、通常審査官が1,210名、任期付審査官が492名で合計1,702名です。2015年度も合計1,702名の審査官により審査が行われます。

日本の一審査官当たりの審査処理件数は、米国特許商標庁や、欧州特許庁と比べると数倍多く、他の国々と比べると特許申請の審査が効率的に行われているといえるのかもしれません。

特許出願の審査が早くなり、早期権利化が望まれることのほうが多いと思われますが、発明の内容によっては逆に審査を遅らせたくなる場合も考えられます。
例えば、競合する会社の技術開発の方向性をもう少し時間をかけて見極めてから権利化を進めたい場合や、基礎研究に関する発明であるために具体的な実施の目途が付くまでに時間がかかる場合などが挙げられると思います。
このような場合に出願人の申請により審査を遅らせる制度を採用している国もありますが、日本では採用されておりません。

最終処分までの期間は?

日本の特許申請の審査において、最初の審査結果の通知で特許が認められる可能性は9.0%程度であって(2015年1月~2015年6月)、一発で登録される可能性は高くありません。

一発で特許が認められない場合には、審査官から拒絶理由が通知されることになりますが、この拒絶理由が通知される平均回数は1.15回程度です(2015年1月~2015年6月)。

審査請求手続をしてから最終的に特許査定、拒絶査定などの処分が下されるまでに要する平均期間は18.8ヶ月程度です(2013年4月~2014年3月)。
ややこしいですが、ここでいう最終処分までの期間は、拒絶査定された場合,2回以上拒絶理由通知をもらって特許査定された場合の期間も含みますし、権利化された場合でも特許査定(権利化される前の段階)までの期間ですので、上で説明した「権利化までの審査期間」(標準審査期間)とは異なります。

日本における特許申請の平均審査待ち期間などのまとめです。

特許申請の審査待ち期間などのまとめ

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早期審査の審査待ち期間

上述したように、特許申請の審査待ち期間は減っていくような流れで計画されているとはいえ、権利化されるまではまだ数年は審査にかかってしまうことが多いです。
中小企業などの特許出願人の場合には早く特許権を取得しないと権利を有効に活用できなくなるという事態が生じかねません。

通常よりも早く特許申請の審査を行ってもらって、早期権利化を実現する制度として早期審査という制度があります。

早期審査が認められるためには、一定の要件を満たす必要がありますが、原則、中小企業,個人事業主の特許出願人には適切な早期審査に関する事情説明書を提出して申請すれば早期審査が認められます。
事情説明書には、先行技術の開示及び対比説明の記載が求められますが、中小企業等の特許出願人の場合には、特許申請書類である明細書に先行技術文献と対比説明が適切に記載されていれば、簡単に省略して記載することが可能です。

また、早期審査のために特許庁に特別に手数料を支払う必要はありません。ただし、特許事務所に早期審査の申請を依頼した場合には、特許事務所の手数料はかかる場合が多いと思います。

早期審査が認められると、事情説明書を提出してから審査結果の最初の通知が発送されるまでの平均審査待ち期間は2.1か月(2014年)と大幅に短縮されます。
この早期審査の平均審査待ち期間は、2.0ヶ月(2008年)→1.8ヶ月(2009年)→1.7ヶ月(2010年)→1.8ヶ月(2011年)→1.9ヶ月(2012年)→1.9ヶ月(2013年)→2.1ヶ月(2014年)と、減っていく流れは2011年に止まってしまいましたが、これは早期審査の申出件数が、8,863件(2008年)→9,777件(2009年)→11,042件(2010年)→12,170件(2011年)→14,717件(2012年)→15,187件(2013年)→17,086件(2014年)と増え続けていることと関係しているのではないかと思われます。

早期審査の対象となった特許申請の特許査定率(81.0%(2013年))は、全特許申請の特許査定率(69.8%(2013年))と比べると、11.2%も高くなっています。
早期審査を申請すると、特許査定になりづらくなるなどということは決してありません。

中小企業などに早期審査の申請要件を緩和したのは2006年からですが、それでも早期審査対象出願の特許査定率は上昇傾向にあり、中小企業は積極的に早期審査制度を利用するべきであると思います。

早期審査を利用した場合のまとめです。

早期審査のまとめ

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特許申請の審査請求率

特許申請について審査請求手続をすれば、上述の審査が行われることになりますが、出願した後に、例えば発明に経済的な価値や技術的な価値がないことがわかった場合などには、審査請求手続を行う必要はありません。
出願審査請求するかどうかを決めることができる期間は、出願の日から3年以内です。

2011年にされた特許申請について、最終的に審査請求がされた割合は67.9%です(2014年に判明)。

最終審査請求率は、66.2%(2004年)→65.0%(2005年)→63.7%(2006年)→63.7%(2007年)と、2004年以降は不況の影響を受けるなどの理由で減少する傾向があったのですが、2008年にされた特許申請から65.8%と盛り返しました。
2011年の8月に出願審査請求料が引き下げられたことが少し影響しているかもしれません。

中小ベンチャー企業,小規模企業の特許申請では、平成30年3月までに審査請求手続を行う場合には、一定の要件を満たせば審査請求料が1/3に軽減される措置を受けられるようになりましたので、最終審査請求率は全体と比べると高めではないでしょうか。

出願審査請求手続をするタイミングは、2011年の特許出願の例を示すと、出願年に手続をするのが14.3%、1年目にするのが9.6%、2年目が16.0%、3年目が28.0%の割合となっています。

日本では審査請求するかどうかの決定はじっくりと慎重に行う傾向があるようです。

中小企業の特許申請の場合には、上述したように早期審査が認められやすいこともあって、早期権利化を目指して出願年に審査請求をする割合が平均よりも多いかもしれません。

出願審査請求についてのまとめです。

特許申請の審査請求のまとめ

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特許査定率

特許申請をして、実体審査の結果、審査官などにより特許が認められる成功率(特許査定率)は、日本ではどのぐらいかというと、2014年は69.3%でした。
50.2%(2009年)→54.9%(2010年)→60.5%(2011年)→66.8%(2012年)→69.8%(2013年)と、特許査定率は上昇する流れとなっていましたが、2014年は少しだけ下がりました。
なお、ここでいう特許査定率は、特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+一次審査着手後の特許申請の取下げ・放棄件数)で計算された率です。

発明について特許を受けるための要件の一つに、進歩性(特許申請したときの技術水準に基づいてその道の通常の専門家が容易に考えつかない程度の発明であること)という重要な要件がありますが、特許庁の審査などにおいてこの進歩性を満たしているかどうかの判断の基準がやや甘くなっている傾向があることが特許査定率が上昇していた理由の一つではないかと思います。

特許庁の審判官が行った審決に不満があるときに取り消しを求める訴訟を取り扱う知的財産高等裁判所が、進歩性についてやや甘めの判断をする傾向があるので、特許庁の審査官などの判断に影響を与えたのではないかと思われます。

また、不況の影響などにより、先行技術調査に力を入れるなどして、特許権を取得できる可能性が比較的高めであると予想される特許申請に絞って審査請求が行われたこと、
同様な理由で、出願人により厳選された特許出願が審査の対象に含まれていること、
審査請求を行った後でも、特許性がないと判明したなどの理由で審査着手前に特許申請を取下げ、放棄すれば、審査請求料の半額が返還されうる制度の利用が定着してきたこと(例えば、2014年の審査着手前の取下げ・放棄の特許出願件数は2,662件)、
特許庁が特許審査迅速化・効率化のための取組として、特許査定率を55%~60%程度まで向上させる目的を掲げていたことなどが特許査定率が上昇していた理由として挙げられます。

特許が認められる成功率についてのまとめです。

特許査定率のまとめ

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